天袋・地袋とは?その特徴と上手な使い方

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天袋・地袋とは何か知っていますか?袋棚とも呼ばれる天袋・地袋の収納は、和室を中心として昔から日本の住宅に設えられてきました。しかしこのような袋棚がどういう意味をもっているのか、あるいはどういう使い方をするべきか迷われる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、天袋と地袋の収納特徴とその上手な使い方について紹介していきたいと思います。最近では、シンプルでおしゃれにデザインされたものも見られますので、そのデザイン面にも注目してみて下さい。

天袋とは

天袋・地袋は古くから日本の住宅に用いられてきた袋棚の名称です。天袋収納は壁の天井付近に設けられる戸棚、対して床近くに設けられた戸棚のことを地袋と呼びます。一般的にこれら袋棚は和室にある押入れの上の部分に設けられています。もちろん、そうした袋棚を設けない住まいも増えています。一方で、最近では和室の形式をより自由にデザインして、こちらのようにシンプルで明るい空間にデザインされているものも人気のスタイルとなっています。


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床から天井まで見える押入れ

天袋を収納スペースとして利用する方は多いと思いますが、天井近くにありながら高さが小さく奥行きが深いのでなかなか利用しづらい場所となりがちです。出し入れが大変なことから、そこに収納するものとしても年に何回かしか利用しないものを収めることになるでしょう。あるいは、こちらのように天袋や地袋まで1つの収納で開け閉めができる押入れにすることで、押入れの中が一目ですべて見渡せることができ、より使いやすいスペースとして有効に利用できるようにすることができます。


【壁ついては、こちらの記事でも詳しく紹介しています】

※ 壁を使わず部屋を仕切る5つの方法

引き戸のデザインで現代的に

こちらの住まいは、開口部を開けるとリビングと一体利用できる和室です。リフォーム時に襖の骨は再利用し、天袋から地袋の引き戸までモダンなデザインの一枚絵が張られ、フローリング続きの和室に現代的なアクセントを加えています。

クレジット: 平井美行

エアコンを天袋の中に

天袋は収納スペースとして利用されることが多いですが、他にもエアコンを設置する場所としても使うことができます。エアコンはなくてはならない家電の1つですが、普通に設置してしまうとどうしてもインテリアの中で目立ってしまい、その雰囲気に馴染まないことが多いですが、中にエアコンを設置し格子戸で隠してしまえば、一見どこにエアコンがあるのか分からないほど自然なインテリアとすることができます。

写真:イクマサトシ(Techni staff)


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より和室の魅力が増す

こちらもエアコンを上部に収納し、照明はセンサーで点灯、床下暖房で冬もほんのり暖かい 機能面でも充実した和室です。すっきりとした格子戸でエアコン機材が隠されているので、床の間に自然に視線が導かれます。天井と壁は珪藻土、ふすまは京唐紙で仕上げらた本格的な和室の良さがより活かされています。

クレジット: 芥子富吉


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

 ウォークインクローゼットを便利でおしゃれにする6つの方法

地袋とは

地袋とは、天袋と対照的な収納で、床近くに設けられる戸棚のことを指します。書院造りの床脇における違い棚の下部や付書院の下部に設けられる戸棚のことも指し、モノを収める場所と利用することがほとんどです。天袋の収納スペースよりも出し入れが楽になることから、リビングなどに設けても非常に助かるスペースとなります。

収納+ベンチ

地袋を利用して、同時にベンチとしても使ってみてはいかがでしょうか。こちらのFAD建築事務所が手掛けた住まいのように、地袋をベンチとしてリビング空間に取り入れることで、スペースを無駄にすることなく、シンプルな便利さと寛げる場所を生み出すことができます。

モダンなシンプルデザイン

畳のある和室でゆっくりくつろぎたい方も多いと思います。昔ながらのきっちりとしたデザインの和室も風情がありますが、こちらのようにモダンなシンプルデザインで和室を設えてみてもいいかもしれません。天袋・地袋の収納スペースの形や使い方も、形式にこだわらず、家族のライフスタイルに合わせた使い方を採用してみて下さい。和室については、「和の魅力がつまった癒しの空間!和室がもたらす6つのメリット」も参考にしてみて下さい。

写真:ToshihisaIshii


【和室については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 鴨居から床の間まで。和室の知っておきたい基礎知識

※ 和の伝統を受け継ぐ地窓。住まいにもたらす6つの大きな効果



追記:吊り押入れの魅力

押入れは便利な収納ですが、伝統的な襖と押入れ造作がどうしても古臭さいと敬遠されがちです。和モダンな空間をデザインしたい人の注目を集めている吊り押入れを取り入れてみるのはいかがでしょうか?写真のように吊り押入れは、下部が浮いておりモダンな空間にスッキリと馴染みます。このように吊り押入れ下部に明り取り窓を設ければ、暗くなりがちな和室に明るい光のアクセントを加えることもできますね。

Photographer : Kouji Morita


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追記:吊り押入れの収納は計画的に

こちらの和室も吊り押入れと琉球畳でモダンに仕上げられています。吊り押入れ下部のライトアップがおしゃれな雰囲気を演出していますね。こんな素敵な吊り押入れですが、収納は上段になるのでどうしても仕舞ったものに手が届きにくくなります。天袋同様に、何を収納するか利便性もしっかりと計画しましょう。

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