6つの小屋と庭の樹木が調和する豊かな家

Michiko JUTO Michiko JUTO
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平屋建ての小屋が6つ連なって構成される3世代共同住宅を紹介します。元々クライアントが小さい頃住んでいた場所に両親世帯の住空間も含めて建て替えた住まいで庭だけは長年手入れがされており、既存樹木等なるべく保存する形で計画されました。設計を手がけたのはSMART RUNNING一級建築士事務所、さっそく見てみましょう。

既存の樹木を保存するように配置された建物

遠くに富士山の見えるのんびりとした住宅地にある敷地に計画されたのは、既存の樹木の位置を考慮しながら異なる世代がそれぞれ自立した住空間をもちつつ閉鎖的になりすぎない住宅。6つの大小の小屋がズレながら連続し多くの空間が南側の庭に面するように東西に長く配置されています。

普通っぽい素材をふんだんに使ったスタイリッシュなデザイン

コンクリートブロックの外塀とガルバリウム鋼板平葺きの外壁といったどこにでもある普通の材料を使った外観ですが、そのミニマルなデザインと見事なプロポーションによってより洗練されたスタイリッシュな佇まいを作り出しています。

思い出の風景をもう一度

クライアントが小さい頃住んでいたのは2階建ての住まいでそこから見えた富士山をまた見たいとの要望を叶えるため、テラスからアクセスする物見台を設置。木の素材による手摺壁が金属質なマテリアルで構成される外観にアクセントとなっています。

ガラスで仕切られた緩やかに繋がる内外空間

土間空間の玄関は切妻屋根の勾配がそのまま現れた天井を墨のような落ち着いた色で塗装しています。奥の地窓まで視線がそのまま抜け、開放感がありながらも落ち着いたエントランス空間ですよね。片側にはたっぷりとした収納を、そして反対側は木製建具枠とガラスによる仕切りによって隣の居室と緩やかに繋がるように設計。「二世帯が暮らす大らかな屋根を持つ平屋の家」も異世代が一緒に住む住宅で、空間をガラスで仕切ったり視線の抜けを作っている洗練されたデザインが目を引きます。是非ご覧下さい。

配色によってゾーニング

こちらが玄関と繋がるリビングエリアです。この住宅の特徴は各小屋が床から1850mmまで珪藻土の白、その上をそれぞれ色分けしていることです。そうすることで各ゾーンが強調されると共に連続性が生まれ、程よい距離感を保ちながら異世代が共同生活する住空間を表現しているんです。いずれも渋みのある色彩を選んだスタイリッシュな住まいです。

和の空間にも調和するラワン合板

リビングにつづく和の空間とも相性の良い紫の天井が大らかに2つの空間を包みこんでいます。造作家具や建具枠などはラワン合板で作られており、ナチュラルな木目や色合いがとっても魅力的ですよね。同じくラワン材による引き戸を閉めれば独立した和室になります。

オリジナリティ溢れるインテリア

リビングから続いてダイニングキッチンのある小屋へ。こちらは天井が低くなっており、落ち着いた食卓の場を演出しています。キッチン自体はシステムタイプなのですが、 背後の収納スペースと調和するようにぐるっと設けた腰壁を木板で下見張りし、オリジナリティのあるキッチンに仕上げています。真鍮色の照明とぴったりのマスタード色の天井がたまらなくお洒落ですよね。

家具を賢く使って空間を仕切る

キッチンから続くのは書斎と子ども室を含む小屋。うぐいす色の天井とラワン合板の深みのある色合いがよく調和した大空間を家具によって仕切っています。上部はガラス仕上げにし、視線の抜けによって広がりを感じられるデザインを採用。廊下との間もガラスの欄間を設け、開放感や明るさにも配慮しつつ繫がりを意識した空間づくりは是非参考にしたいですよね。

引き込まれるような美しい空間

こちらは玄関を挟んでリビングと反対側のボリュームに収められた親世帯のための空間。板の間と畳の空間を程よく配分し広がりを持たせつつ、青系の天井で引き締めています。造作で設えたたくさんの収納スペースによって空間を最大限に利用。すっきりとした内部空間が縁取る丁寧に手入れをしてきた庭の眺めが十分に堪能できる豊かな住空間です。

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