仕舞ってしまわない:狭小住宅こそ見せる収納

Rei Watanabe Rei Watanabe
Re:Toyosaki, coil松村一輝建設計事務所 coil松村一輝建設計事務所 Eclectic style bathroom
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どんなに素敵なマイホームを手に入れても、雑多に散らかっていては台無しです。特に狭小住宅では、どこに持ち物を収めるかが、綺麗に使う為のポイントになってきます。デッドスペースを利用した収納、ロフト、収納力のある大きな家具など、対策は色々とありますが、ここでは見せる収納を提案したいと思います。狭い家だからこそ敢えてものを出す、片付ける場所が無ければインテリアの一部として飾ってしまえ、という発想です。見せる収納は、どうしても収納力が限定されてしまいますが、その収納に収まる以上の持ち物を持たないと言うことが、狭小住宅に於ける片付けの究極の解決方法ではないでしょうか。いつも見えていてもいい、誰に見せてもいい、そういう本当のお気に入りの物だけに囲まれた生活、まずは、お気に入りの家具を見つけることから始めませんか。

自分らしさを飾る

こちらはポルトガルから、GALULA STUDIOによるシンプルなコート掛けです。二等辺三角形の枠は木製で、前面に左右3カ所ずつ、裏面に一カ所ずつ物を掛ける為の切り込みが入っています。木枠を壁に立てかけるというシンプルな発想ですが、5色展開のどれをとってもお洒落です。普段使っている上着と靴に合う色を選びたいですね。

壁に浮く棚

YU MATSUDA DESIGNによる壁面シェルフです。棚を作る木材は、壁との接触部に比べて手前で薄くなっており、目に触れる切断面は、たったの3.5mm。極薄の素材はシェルフに軽さを与え、壁に複数掛かっていても重い感じがしません。読みかけの本を置く為ベッドサイドに、出掛けに身につける香水を置いて玄関先に、色々な場面で使えそうです。

玄関先の万能アイテム

こちらはドイツよりSEBASTIAN ERAZO FISCHERによる収納です。コート掛け、棚、靴置き、引き出し、ベンチ、という多機能が、この木製のユニットに詰まっています。玄関に置いておけば、出かける前に身につける物の一式をここで揃えることが出来ますね。冬のブーツなど、ベンチがあると脱ぎ履きが楽ですよね。

壁を埋め尽くす大切な物

生活に関わる物には、タンスの肥やしになりがちな物も多くありますが、趣味に関わる物は精神の肥やしですから手放したくない物も多いですね。本やレコードなど、好きな人は大変な量を所有しています。沢山に増えた大好きな物は、いつも眺めていたいですよね。アーキシップス古前建築設計事務所によるこちらのお宅は2.4m x 2.7mの壁一面が本棚になっています。

場所を選ばない機能美

こちらの壁面シェルフはデンマークのデザイナーANNE LINDEによるものです。開きかけの本を立てかけて置くことも出来る優れモノ、上・淵・後ろの3カ所に物を置くことが出来ます。様々な場面を想定した宣伝写真を見ているだけでも、使い方のパターンは限りなくあることが分かります。このサイズなら、調味料や化粧品も、本当に必要な種類だけ、使い切ってから新しい物を買う習慣がつきそうです。

持ち物を引き立てる木目

メキシコのBOLIGHUS DESIGNは、様々な無垢材を使った家具作りをしていますが、こちらの棚はクルミの木材で出来ています。クルミ材独特の柔らかい光沢と柔らかい色味の美しさが大変に生かされた出来映えです。見せも隠しもする扉は、家具を強調しすぎず、収納された物を強調しすぎず、その両方の程よい調和を見せます。その家具と収納物の調和が、空間の一部を飾ります。

シンプルモダンな伝統家具

こちらはイギリスからONE OFF OAK LIMITEDのコート掛けベンチです。コート掛けベンチは、ヨーロッパでは伝統的で、古臭い物というイメージもありますが、最近はモダンでお洒落な物が出回っており、若者の間でもリバイバルし始めています。こちらの物もシンプルなメタルと木材の組み合わせがとてもモダンです。くすみのかけられたメタルと、表面の綺麗に加工された木材によって、シンプルながらも高級感があります。

エレガントに便利

こちらの棚もシンプルながら高級感があります。ドイツHidden Objectsによる壁面シェルフです。デザイン性をここまで追求しているのに、使い勝手も良さそうです。読みかけの本を、置きっぱなしにして、どこに置いたか忘れてしまうことも、外出前にバタバタと携帯電話を探す必要も無くなります。仕事机の前に置いて、ペンやミニ盆栽を置いたり、ベッド上部に置いて目覚まし時計を置いたり、色々な場面をエレガントに飾ってくれそうです。

元祖見せる収納

見せる収納の元祖です。井上貴詞建築設計事務所によるこちらの家では、建物の構造部分を棚として使っています。ハーブや酒瓶など、このような場所に置いておけば、直射日光にも当たらず保存と言う観点からも合理的です。酒の瓶やラベルもそれぞれにデザインを工夫していますから、インテリアの一部としても面白いですね。本当のお洒落と言うのは頑張り過ぎていないさり気なさの中にあります。家中に見せる収納が取り入れられた、素敵な物に囲まれた素敵なお宅です。

昭和な見せる収納

COIL松村一輝建築設計事務所によるこちらの家は、古い長屋をリノベーションした物で、インテリアの随所にも、古い素材が取り入れられています。このレトロモダンなお宅にぴったりの、懐かしい掃除用具は、壁にかけて収納されています。昔の家ではよく壁に掛かっていた手編みほうき、見ているだけで心温まります。見える所に片付けるのですから、用具もきちんと手入れし清潔に保つ様になるでしょう。物を大切に長く使う習慣が身に付きそうです。

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