アパートリノベーションでのコスト節約のポイント

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
homify Eclectic style houses
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新築よりもかかるコストが安いながらも、築数十年にもなる建物を新築のような住まいに変えてくれるリノベーション。特にアパートやマンションのリノベーションは、より手軽な値段で自分たちの生活スタイルにあった間取りに変えてくれることから、最近ますます増えているリノベーション方法です。しかし、もう少しコストを抑えられないかと考えている方もいらっしゃると思います。そこで今回は、アパートやマンションリノベーションでコストを節約するポイントを実例とともに紹介していきます。

築年数と建物のタイプ

もちろん築年数が古い物件はより安く手に入りますが、リノベーションするとなると構造的な問題の有無がコストに影響するので、トータルで考えると一概に築年数の古いものが安いとは限りません。建物のタイプにも木造やコンクリート造や鉄骨造など様々ありますが、比較的自由なリフォームが可能なラーメン構造と、見た目はすっきりする一方で既存の壁の変更が難しい壁式構造の選択は希望の間取りや生活スタイルに合わせて選ぶこともコスト節約の1つの方法です。写真は、苅部 寛子建築設計事務所による壁式構造の共同住宅リノベーション。

写真:西川公朗

天井のリノベーション

リノベーションでのコスト節約ポイントの1つに天井があります。常に肌に触れる床は肌触りや水はけなどこだわりたい部分だと思います。その一方で、天井は配線や配管を隠し、天井をきれいに見せるという機能が主ですので、もし天井の配線や配管が見えてもいいという方は、天井をはらないでおくとその分のコストを抑えることができます。こちらのリノベーションの一室のように、天井を露わにすることでおしゃれなインダストリアルスタイルのインテリアにすることもできます。

材料の再利用

リノベーションする際には、まず古いアパートやマンションの一室を解体します。その時に出た建具や床板など、再利用できそうなものを残しておきましょう。建築家と相談しながら、何がまだ使えそうかだったり、どこに再利用していくかを決めていきましょう。その分の材料費だけでもコスト節約が可能です。こちらは、COIL松村一輝建設計事務所による長屋のリノベーションです。もともとの長屋に使われていたドアの扉や床材が、場所や用途を変えながら色んな場面に再利用されています。

写真:増田 好郎

小さな面積で工夫したプランニング

リノベーション前は少し狭いかなと思っても、建築家によりうまく工夫がなされたリノベーションであれば、小さな面積でも想像以上に豊かな空間を生み出してくれます。こちらは、鹿内健建築事務所が手掛けた床面積約40㎡という小さな物件のリノベーションです。普段は大きなワンルームですが、バスルーム周りの建具を開閉すれば、様々な使い方ができるようにデザインされています。コンパクトな物件で物件費を抑え、その分を内部のリノベーションに充ててもいいかもしれません。

写真:鳥村鋼一写真事務所.

既製品とオーダーメイドの組み合わせ

住まいのこだわりの部分にはオーダーメイドを取り入れて、それ以外の部分には既製品を使うといったコスト節約の方法もあります。こちらは、株式会社SEKI.DESIGNによる建築家自身の住む、自宅マンションのリフォームです。キッチンのキャビネット部分には機能性と耐久性を兼ね備えた既製品を使い、天板とカウンター部分にはデザイン重視のオーダーメイドの製品を使っています。このように、こだわりとテーマに合わせて既製品とオーダーメイドを組み合わせてみましょう。

写真:A.FUKUZAWA

部分的なリノベーション

リノベーション部分が広ければ広いほど、コストは高くなりがちですので、単純に建物を部分的にリノベーションすればコスト節約につながります。こちらは戸建ての改築になりますが、隣り合う2軒が同じ持ち主の建物であったので、片方のリノベーションをする時に2軒同時でその構造強度を持たせるように考えられました。アパートやマンションの広い面積の一室でも、部分的なリノベーションでコストを抑えてみてはいかがでしょうか?

写真:すぎのk

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