縁側とは?その魅力とタイプ別デザイン集

今後100年を見据えて・・江戸末期古民家屋敷再生, 環アソシエイツ・高岸設計室 環アソシエイツ・高岸設計室 Garden Pond
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縁側は昔から日本家屋には当たり前のようにありました。しかし、時代とともに和風住宅が減少すると同時に縁側を見る機会も少なくなってきました。そんな中最近、縁側空間の良さが見直され、モダン住宅にもうまくアレンジされながら縁側が取り入れられてきています。そこで今回は、縁側のメリット・デメリットをまとめて紹介していきます。

くれ縁と濡れ縁

まずは縁側のタイプを紹介します。「くれ縁」と「濡れ縁」と呼ばれるものの2種類ありますが、簡単に言うと「くれ縁」とは雨戸などを使って室内として閉じることができる縁側のタイプで、「濡れ縁」とはそうした戸がなく屋外として雨風にさらされる縁側タイプのことです。どちらも長所・短所を持っていますので、家族に合った使い方などそれぞれに合わせて選んでみて下さい。

縁側で開放的なコミュニケーション

軒下の半屋外空間は、心地いい日向となる快適な場所や庭などの外の風景を眺める絶好の場所として、自然とみんなが集まるような場となりコミュニケーションを行う中心となります。こちらのMURASE MITSURU ATELIERが手掛けた住宅では、縁側がまるで歩道まで住まいの一部のように感じられるほど一体的にデザインされています。地域の人たちとのコミュニケーションの場としても、とても開放的な縁側となっています。

四季を楽しむ風情溢れる縁側

多くの場合、縁側は中庭などの外の広場に面してつくられます。庭に植えられている草木を眺めるには最適な場所となるので、ガーデニングが趣味の方も自身の庭をまた一段と風情ある庭として楽しむことができます。草木だけでなく、春の花見や夏の花火大会などの季節の行事を楽しむ際も、縁側で家族と一緒に過ごしてみると、他の場所では味わえない安らぎと温もりを感じられます。

夏の日差しを防ぐ縁側

縁側は日本家屋特有の住宅の要素ですので、もちろん日本の気候に有利なメリットを持っています。夏の強烈な日差しを防ぐために夏の太陽高度が高いことと深い軒を利用して、室内にはできるだけ直接日差しが入ってこないようになっています。こうした電気などを使わないような工夫をしながら通風を良くするなどして、夏でも涼しく過ごしやすい環境の住まいにしてみて下さい。

縁側で夏は涼しく、冬は暖かく

夏の日差しが室内に入るのを防ぐ深い軒のある縁側ですが、冬になると太陽高度が低くなることから、冬の日差しは室内に差し込んできて、夏とは反対に室内を暖かくしてくれます。こちらの住宅も縁側と深い軒で日差しをコントロールすると同時に、大きな開口を設けることで、日差しを取り入れやすくして冬でも暖かく過ごせるように工夫がなされています。

写真:玉森建築写真事務所

ある程度の土地の広さが縁側には必要

縁側のデメリットを挙げるとすると、やはりある程度の土地の広さが必要になることでしょう。狭い土地でわざわざ造ってしまうと、浴室やトイレなどの室内の部屋が狭くなってしまう可能性があります。逆にそれでは、室内での生活が居心地悪くなってしまいます。縁側を取り入れてみたい際は、建築家などに相談してみながら、快適な空間をつくっていきましょう。

写真:Foppe Peter Schut

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