建設ラッシュを迎えた昭和の時代には、たくさんの住居用のマンションも建てられました。企業は都市部にて事業を拡大していくと、それに伴う住宅需要も伸び、それから何十年も新築物件は増え続けることになります。徐々に建てられた物件の寿命や傷みが気になってくる頃、近年は土地不足や物件の飽和状態もあることから、リノベーションによる再生が注目を集めています。今回ご紹介するのは、横浜の団地リノベーションです。築40年の物件を、驚くほどの明るさに生まれ変わらせました。
築40年も経つと、水回りの設備やライフスタイルは全く違う時代を迎えています。設備の痛みも、配置も使い勝手が良いとは言えません。
壁面付けだったキッチンは対面式へと配置を変えられました。背面には家電や収納スペースをたっぷりと設け、現代に合った使い勝手が魅力的な空間です。全体が明るい木調カラーとホワイトで仕上げられ、窓からの光がたっぷりと空間を明るくしてくれる効果が生まれています。カウンター下にはタイルをあしらい、クロスだけの平坦な印象にならず、明るさを保ちながら素材感でアクセントをつけています。
家全体は昔ながらの田の字型を思い起こさせるような間取りでした。襖の高さも昔ながらの基準が残り、今の時代には低い高さの印象があります。
畳の部屋が隣り合う間取りは、フローリングの広々とした空間へと間取りが変更されました。収納の扉も襖からクローゼットドアへと入れ替えがされ、以前の面影を感じさせない空間になりました。全体が白いカラーで統一されることで、明るく広がりのあるリビングが生まれています。
40年前のバスルームは、ボイラーがありコンパクトな空間にタイル貼りが主流でした。メンテナンスの大変さや、快適さに欠けます。洗面台やトイレなども、大きさも含め使い心地や手入れのしやすさは快適とは言えません。
タイル張りでステンレス浴槽のバスルームは、システムバスへと入れ替えがされ、使い勝手やメンテナンスがしやすくなりました。間取りや空間を整え、洗面スペースにはベッセル式のオリジナル造作洗面台が設けられています。すっきりとまるでホテルのような印象ながら、既存の躯体に影響されるスペースが上手に生かされるようになりました。水回りが整うと、朝の身支度にもストレスを感じにくくなります。