ブランドの世界観を引き立たせるショップデザイン

K.Matsunaga K.Matsunaga
RIGHT ON Kobe Harborland UMIE, KITZ.CO.LTD KITZ.CO.LTD Commercial spaces Iron/Steel
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ブランドや商品の魅力を引き立たせ、世界観とアイデンティティーを生み出す店舗デザイン。お店の内装やムードはもちろん、店内の動線や商品の魅力を発揮するための設計は住宅とまた違う要素もあるでしょう。ショップに足を踏み入れたときはもちろん、通りがかりや遠くからでも目を惹くための工夫や、色・素材使いなどは気持ちを高めるものが多く、いまや住宅分野においても「○○のお店のような」「ショップのような空間」を求める方も少なくありません。今回ご紹介するのはKITZ.CO.LTDの手がけたアパレルショップのデザインです。さまざまな工夫が見られるこちらのショップの魅力を見てみましょう。

木の温かな雰囲気を感じさせる印象

ナチュラルなカラーの木材をベースに、空間の柱や什器の棚材が統一されています。商品を主役にするために、店内のカラーはあまりにぎやかにしないのもポイントのひとつ。床は前面ではなく一部分にフローリングをあしらうことで、現在一押しの商品へ導かれるような視認性が高まっています。全体が明るい照明であることはもちろん、その中でもスポットライトを使って光にメリハリをつけることで、マネキンやそのときにおすすめの商品がぐっと引き立つように計画されました。

メンズ、ウイメンズで色を変える

実は隣にはメンズのコーナーがあります。両方の取り扱いがあるアパレルショップでは、客層やターゲットがどこに自分の求めるエリアがあるかをわかりやすく示す必要があります。こちらでは、メンズは黒めの雰囲気、ウイメンズは木の温かな雰囲気と遠くからも一目で売り場がわかると同時に、店内を歩く際も自分がどちらのエリアにいるのかがとてもわかりやすくなっています。ウイメンズの柱は細く、四角い形状、メンズエリアの柱は太さのある黒と色味の違いによるバランスを直線と曲線の使い分けで極端に崩れることのないようなデザインで取られています。


デニムが主役のディスプレイ

こちらのブランドはデニムの取り扱いに力を入れていることから、メインとなるディスプレイに演出性を持たせています。什器を使わず、ワイヤーで吊るすことでデニムそのものが引き立ち、また自然な形状をアピールすることにもつながっています。躍動感のある生き生きとしたディスプレイは、ひとつひとつの商品の色味や形状の個性が生き、ブランドの印象付けにも大きく貢献しています。

見やすく歩きやすい店内

通路を広く確保し、商品を並べる棚もゆとりのあるレイアウトです。棚の色はメンズ、ウイメンズで分けることでここでもエリア別の視認性の高さが伺えます。入り口はそれぞれ別々でも、店舗内は同じ空間であることが多いため、店内を歩きながらいつのまにか別のエリアへ移動していることはよくあるでしょう。迷ったり行き来を何度もしないことは、訪れる客のストレスを軽減することにも繋がります。

デザイン性の高いキャッシャーコーナー

商品の陳列から離れ、会計やラッピングがなされるキャッシャーコーナー。ときには行列があったり、ラッピングに時間が必要なこともあるため、目線の先を飽きさせないようなデザインが施されています。ブランドの主力であるデニムを使い、統一感を持たせながらも印象付けられる壁面はぱっと目を惹きます。住宅であれば、壁面は通常クロスや塗装、タイル等が仕上げに使われることが多くありますが、ショップデザインの場合はこのように大胆な素材や色使いに挑戦できるのも魅力です。このような非日常感がショップデザインやショッピングの行為に特別感を持つポイントにもなるでしょう。

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