地下室のある家をつくりたい!7つの実例とコストバランスついて

A.Imamura A.Imamura
富士見台の家- 地下一体型インナーガレージのある家-, 鈴木賢建築設計事務所/SATOSHI SUZUKI ARCHITECT OFFICE 鈴木賢建築設計事務所/SATOSHI SUZUKI ARCHITECT OFFICE Modern garage/shed
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地下室のある家と聞くと、書斎や音楽室、スタジオ、シアター、ワインセラーなど、住まい手の趣味や憧れを実現するスペースというイメージがあります。しかし、趣味を楽しむスペースだけでなく地下一階をつくることで容積率の緩和が受けらるというメリットもあります。これを利用して二世帯住宅を実現する人が増えてきています。今回は、そんな気になる地下室のある家と工事費用にまつわるコストバランスについてご紹介していきます。

1:高低差を活かしたインナーガレージの地下室

地下室のある家は、高低差を活かした間取りの要素として採用されることが多くあります。こちらは南北を道路に挟まれた敷地の高低差を活かした地下一階と地上二階建の住宅です。地下ガレージと水廻りは鉄筋コンクリート造とし、その上に木造2層を載せた構成です。


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ガレージ地下室のある家

左側は電動シャッター、右側が内玄関へ続く階段が設けられています。排気ガスがこもらないよう換気扇を設けられているだけでなく、広めに計画されているので、アウトドアが趣味の住まい手が用具の手入れをする際にも活躍しそうなスペースになっています。



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2:地下室のある家は、地価の高い地域での解決策に

地下室のある家は、地価の高い地域での解決策になります。こちらは、都市部に立地する二世帯住宅の一軒家です。この木造住宅は、二世帯が快適に暮らせる機能や仕掛けが満載の家です。玄関はそれぞれの世帯用に二つ設けられ、子世帯の玄関からは親世帯に通じるドアの他に地下に行く階段もあります。


【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】

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音楽を楽しむマルチスペースに

この子世帯の地下は、音楽室であり、また日曜大工の作業空間でもあり、リクリエーションスペースでもあります。多機能なスペースとして活躍するよう収納も設けられています。ピアノの上からは自然光を取り入れ、暗くならない工夫が施されています。地下を設ける際は湿気対策が極めて重要で、出入り口を閉じて、エアコンで除湿できるようにしておくことは必須です。この地下室のある家の場合は、さらに天井のコンクリートスラブにヒートポンプ方式の基礎蓄熱ヒーターを設けて、地下室の暖房乾燥と一階の暖冷房、二階への気流と蓄熱による暖冷房の機能を併せ持たせています。

3:地下室のあるオーガニックな家

こちらは、究極の自然素材、国産材無垢の木と土壁で出来た家。工法は岐阜県高山地方の木組を参考にした豪壮な民家です。合板を殆ど使わずシックハウスにも無縁なオーガニック建築に。居住空間は目を奪われるような美しい木組み天井や囲炉裏のある和室など、木をふんだんに使った心落ち着く空間が広がります。昔ながらの民家造りの家にも半地下が設けられています。

自然素材と大人の地下シアタールーム

地下室のある家と聞くと、コンクリートの空間を思い浮かべがちですが、この民家造りの家の地下は落ち着いた雰囲気が漂います。まるで秘密基地のような贅沢なシアタールームは、自然素材の優しい雰囲気の中でも遊び心忘れない大人の時間が楽しめます。どんな映画館よりも特別感のあるシアタースペースですね!

4:法律の面積制限のかからない地下室のある家

こちらは、住宅密集地に建つ二世帯住宅です。法律上建てることが可能な建坪16坪ちょっとの中に、二世帯5人が暮らす場所を確保するための工夫が多く施されています。右半分は、鉄と木で出来た格子でプライバシーを守るテラススペースが設けられています。

クレジット: 仲摩邦彦建築設計事務所 / Nakama Kunihiko Architects

限られた敷地では縦の空間を有効活用

建坪約16坪という限られた敷地の中で二世帯住宅をつくるには、横ではなく縦空間を効率よく利用する間取りが必要になります。この家は、法律の面積制限にかからない地下を設けました。書斎となる地下室には、大きな窓がとれるようにドライエリアと呼ばれるテラスも一緒に設けられています。そのため地下一階であっても、それほど暗くはなく、 圧迫感もありません。畳を敷いてゆっくりと過ごせる趣味の部屋になっています。

5:地下室のある家には見えない外観

こちらは、長野県臼田町の街道沿いにある新築住宅です。セガイ作りという伝統的なデザインに半地下、ロフト、がある四階建ての建物です。外から見るだけでは、全く四階建てには見えないのが不思議ですね!軒が深いセガイ造りで安定感のある住まいは、高い屋根を持ちながら平屋風外観を望む人にも人気のある伝統工法です。

落ち着いた読書室

社寺建築などにも多く取り入られているセガイ造り。地下一階の室内はというと、柱の上部から腕木を出して支える棚が設けられています。半地下のスペースには、壁一面に施主の書籍やコレクションなどが置かれ、自宅でのテレワークも快適に行えるような環境が整えられています。

6:地下一階から二階までが吹き抜ける家

夕暮れが美しい白い外観を幻想的に浮かび上がらせるこちらの住まい。この家は住宅街に立地し、三方は住宅が接近して建つため採光条件には恵まれていません。東西からの日照が期待できないので、南北を開放する間取りを採用し、地下、一階、二階の三層が吹き抜けと開口部で緩やかに繋がる明るい住まいをつくります。

地下一階で採光と暖房効率が高まる工夫

読書室のある地下一階は、一階に設けられた吹抜けと一体になることで、上階同様の明るい採光を得ることができます。地下躯体に埋め込まれたヒーターが地下一階だけでなく、一階や二階床まで暖めることにも役立っています。

7:書斎以外の使い方は? 隠れ家的な大人のバーとして

こちらは、既存の壁や天井を剥ぎ取り、カウンターや棚は全てラワンベニヤと塗装のみで仕上げた5坪の小さなローコストバーです。グラスやワイン棚に間接照明を配置してより本格的な大人のバーの雰囲気に。もし自宅にこんなバーがあれば素敵ですね!

クレジット: Satoshi Asakawa

地下室の費用は?

一般的に、地下室の工事費用は高いと言われています。一方、地下一階をつくる事で外構費用を抑えることができるという側面もあります。高低差がある土地に家を建てる際、コンクリートでの擁壁工事に費用をかける必要がありますが、地下室のある家ならば擁壁工事や高基礎をしないかわりに地下室をそのまま露出し高基礎などの費用の一部を抑えることができます。高低差のある敷地に立地する家ならば地下室の有無を考えることで、必要な外構工事費用のコストバランスを考えることができます。

地下室は増設できる?できない?

地下室の増設は、既に建物が建っている場合は、後から地下室を増設するのは難しいと言われています。補強を行いつつ施工することで既存の建物の下に地下室をつくる工法もありますが、地盤の強度や住宅の構造などの制限が大きいと言われています。

地下に災害シェルターをつくる場合は?

地下室を災害シェルターとして利用したいという人もいます。地下室に災害シェルターをつくる場合は、一体どの程度の工事費用がかかるのでしょうか?地下室に災害シェルター機能を追加する場合は、ライフラインを確保するために発電設備や水、空気濾過システムが必要です。これらの設備は、約100万円の追加費用だと言われています。また地価に設置できるユニット式災害用シェルターは、手軽なもので200万円から、追加する設備や広さなどで1000万円以上とバラエティがあります。


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