日本の住宅に見られる「縁側」という空間。住空間という内部と外部を区切った空間にもたらす、内からも外からも縁側を介してその区切りをなだらかなものへと変化させているようです。縁側で休めば、ご近所さんとのコミュニケーションや、尋ねてきた人が声を掛けやすいそんな場所かもしれません。今回ご紹介するのは、農園の広がる土地に広い縁側と土間のある住宅です。計画工房辿によって手掛けられた本住宅は、一部に古材を用いるなど、美しく味わいある日本建築の家となりました。目を癒す庭や大きな瓦の屋根、納屋のある配置など、素材や質感までもが活きた快適な住空間となりました。
山並みと農園の広がる風景の中の本住宅。バランスよく植わる植栽に囲またその外観は環境に馴染むような風貌。背景の山並みに沿うような屋根勾配にゆったりとした構えは時間の流れが緩やかな雰囲気です。敢えて大きな外構柵を設けなくとも、地域と連携して防犯できるようなそんな関係性を窺わせます。
深い軒が覆う広い縁側。ザックリと開く開口から縁側に向かって腰を下ろせば、目にも癒しを与えてくれる前庭の植栽や鉢などのバランスのとれたアイテム達。雨樋の無い軒先は見た目にもスッキリとしています。雨粒がダイレクトに滴る様はきっと雨のカーテンのように涼やかな風景が楽しめそうです。畑仕事の休憩に縁側で麦茶で一服、そんな風景が浮かびます。
リビングから臨む縁側の先の前庭。まるで切り取られた絵のような風景はリビングへと調和しています。そこは角に設けられた開口ですが、角柱を取り払うことによって生まれた開放性。縁側に建つ逞しい柱がその住宅の屋根を支えています。少し視点を変えることによって、こうした開放性を生む開口の手法が生まれるものなのかもしれません。
天井、壁とも木に囲われたお風呂の空間。細かな場所まで使われた木材によって、存分にその木の質感や香りを楽しむ事ができそうです。空間を楽しむだけではなく、バリアフリーの床や、細かな手すりなど、住まう人を気遣う配慮も。長湯したって家族がすぐに見通せるガラス戸の明るいお風呂は、空間の広がりだけでなく、安全に心おきなく安らげる場所かもしれません。
【土間については、こちらの記事でも紹介しています】
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